学会の概要

学会長挨拶

室井 延之

中国武漢を皮切りに世界中に広がったCOVID-19の拡大により、医療機関においても、感染患者の受け入れ、感染対策など厳しい状況の中で、皆様におかれましては、医薬品の安全な供給機能を維持し、最適な薬物療法を提供するという薬剤師の使命を果たされていることと思います。会員の皆様とともにこの難局を乗り越え、さらなる活動を行えますことを願っております。

薬剤師の注射・輸液療法への関わりはますます拡大しています。病院医療においては薬剤師の病棟常駐配置が進んでおり、内服薬中心の服薬指導から、注射薬・輸液をも含めた総合的な薬学的管理すなわち薬物治療の個人別ケアに取り組んでいく必要があります。また、保険薬局においては、在宅医療の充実に向け、在宅患者の栄養療法へ参加する機会が増えています。「病院完結型」から「地域完結型」医療への転換が加速度的に進められる中で、高度急性期病院、急性期病院、回復期病院、慢性期病院や在宅等において、シームレスな栄養療法の継続が求められており、病院間や保険薬局、介護施設との連携による『地域における多職種協働マネジメント』が極めて重要です。病院、薬局そして薬学教育の役割を再確認し、その中で薬剤師の役割を果たし、患者の暮らしにつなぐ薬剤師連携を展開していかなければなりません。

本会では患者により良い薬物治療を提供するために、学会・研修会の開催、学会誌での原著論文,症例報告などの発信により、NST、がん化学療法、緩和医療等でのチーム医療における薬剤師の新たな業務展開に関するノウハウを共有し、医療を支えるキーパーソンとしての薬剤師の役割について、皆様としっかり議論を深め事業を進めていきたいと思っております。

会員の皆様には日本注射薬臨床情報学会を盛り上げていただけます様、引き続きのご支援ご協力の程、よろしくお願いいたします。

2021年7月吉日
日本注射薬臨床情報学会 会長
神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部長
室井 延之

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