教員情報詳細
- 所属名称
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共通教育部
- 資格
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助教
- 学位
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博士(文学), 文学修士
- 研究分野
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日本語学, 社会言語学
- キーワード
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計量的研究, メディアのことば, 言語意識
- 社会貢献活動
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公益財団法人日本漢字能力検定協会作問委員, 神戸新聞社読者モニター
「マルハラ」という言葉を聞いたことがありますか?これは「マルハラスメント」の略で、SNSのやり取りで、たとえば「了解しました。」と文末に「。」(マル)を付けると、特に若い世代の人たちは、相手から威圧的な感じを受ける、つまり「。」によってハラスメントを受けたような気がするという状況を表した言葉です。反対に「了解しました!」と「!」であればそのようなネガティブな印象はやわらぐそうです。文末に存在するたった一つの「。」と「!」で言葉から受ける印象がまったく変わってしまうのです。同様に「よろしくね」と「よろしくね☺」とを比べてみると、これも受ける印象が違うことに気付きます。
なぜこのような違いがあるのでしょうか。それは、コミュニケーションの場面では、言葉だけではなく、符号・記号が大きな役割を果たしているからだと考えられます。
では、言葉と記号とはどのような関係にあるのでしょう。SNS上では絵文字や顔文字などさまざまな記号類が使われています。実は、これらの現れ方を調べてみると、どうやら傾向がありそうだということが分かっています。つまり、言葉と共に使われる記号は無秩序に現れているわけではなく、無意識であっても何らかの傾向に沿って使われているのです。
現代の私たちのコミュニケーションは、SNS抜きでは語れない側面を持っています。そこで行われているのはおもに文字によるコミュニケーションです。「言葉は社会を映す鏡」と言われます。今、この時代にある日本語の姿を切り取り、社会のありようとからめながら考えることを研究テーマとしています。