教員情報詳細
- 所属名称
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生活環境学部 生活環境学科
- 資格
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教授
- 学位
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工学博士, 学術博士, 家政学修士
- 研究分野
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繊維・高分子科学, 被服材料学
- キーワード
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繊維, 高分子, セルロース, フィルム, 構造と物性, 改質, 機能化
- メールアドレス
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- 研究室
- sawatarimukogawa-u.ac.jp
本研究室では,合成プラスチックや天然繊維などの有機高分子材料,例えばポリエチレン,ポリ乳酸,酢酸菌が産生するセルロース繊維(バクテリアセルロース,略してBC)などを研究対象としています.これらの高分子の構造と性質の関係を軸に,その改質と有効利用・複合化などによる材料研究を進めています.研究にあたっては高分子物質のより良い機能と安全性を求めて,独創性を重視するとともに,研究成果を社会に還元することを目標にしています.
最近は,ナタデココとして知られるBCに注目し,生活素材として活用するための物性改良を検討しています.
水を含んだBCのペリクルはいわゆる塑性ゲルであり,圧力によって凹ませるとそのままでは元には戻りません.このペリクルは植物セルロースの約 200 分の 1 の細さのBC ナノファイバーで 構成されており(写真1),ペリクルに含む水をそのまま乾燥すると BC 繊維間や分子鎖間に水素結合が生成し,紙のような硬いシートになってしまいます.乾燥過程で,いくつかの工夫を試みると,スポンジのような弾力を持つ素材が得られたり(写真2),ミシンで縫っても破れない,革のような感触のシート(写真3)が得られることが解りました.今後はさらに有用な素材となるように改良を続けていきます.
バクテリアセルロースの活用面では,2024年度から,学内の架橋横断的共同研究として,薬学部・吉田都教授との「女性に優しい!地球に優しい!武庫女発フェムテック開発;抗菌消臭サニタリーシステムの提案」を開始しました.薬学部・仁木洋子准教授との「ナノセルロース集合体を基材とした新規徐放性保湿フェイスシートの開発」共同研究も行っています.
所属学会:セルロース学会(2013年7月-理事),繊維学会,日本繊維製品消費科学会,日本家政学会,米国化学会