教員情報詳細
- 所属名称
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文学部 歴史文化学科
- 資格
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教授
- 学位
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博士(文学)(2013年11月 京都大学), 修士(文学)(1999年3月 京都大学), 学士(文学)(1996年3月 京都大学)
- 研究分野
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人文・社会 / 日本史 / 日本古代史
- キーワード
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日本古代史, 仏教史, 寺院史, 貨幣史, 鉱山史, 出土史料, 木簡, 文字瓦
- ホームページ
最新の研究業績一覧はリサーチマップに掲載しておりますのでそちらをご覧ください。以下、直近の業績からいくつかご紹介します。
論文「行基集団と優婆塞」(2024年4月)
【概要】行基集団の内部構成について、唐招提寺蔵「大僧正師徒各位注録」(師徒録)を史料として検討した。師徒録が記す「侍者(故侍者)」について、その歴名中に和泉郡大領として知られる信厳が見えることなどから、侍者とは行基弟子の優婆塞を指すと見た。また、郡司など地域の世俗社会における有力者が優婆塞として行基集団に多く参加しており、彼らは行基の社会事業を支える中核であったと考えた。
論文「貨幣鋳造機関の起源と成立」(2024年3月)
【概要】飛鳥池遺跡の発掘調査成果を検討し、飛鳥池工房の運営機関を飛鳥寺の造寺官司に比定する学説が妥当であること、同工房が富本銭を鋳造した理由は造寺官司が天皇の意志を直接受けて製品生産を行う機関である点に見いだされると述べた。また、持統朝鋳銭司以降の貨幣鋳造機関のあり方にも時の天皇の意向が強く反映されていると指摘した。
論文「飛鳥の大寺と山寺」(2023年3月)
飛鳥・藤原周辺の山で7世紀後半~8世紀初頭頃に成立した山寺とみやこの大寺との関係から、初源期の山寺の性格について検討した。『行基菩薩伝』『日本霊異記』『日本感霊録』などの史料に見える高宮寺・壺坂山寺と飛鳥寺との関係に着目し、飛鳥寺などの大寺の僧が修行の適地として見いだした山に山寺が成立したこと、それらの山寺は大寺の僧侶養成機能の一翼を担う施設としての性格が強いことなどを指摘した。
論文「龍門寺と仙人信仰」(2022年9月)
【概要】龍門寺(大和国吉野郡の古代寺院)に関する文献に仙人に関わる伝承が多く見えることについて、龍門寺の伽藍が整備された8世紀初頭に同地を中国の天台山に見立てた漢詩が現れていることから、天台山の道仏二教併信が詩文作品を通じて日本に伝わった結果、仏教寺院である龍門寺を仙人の住処と見なす信仰が生じたと考えた。